連泊日帰りに注意!団体ツアーの落とし穴

投稿日時:2018/05/16(水) 14:00

 ゴールデンウィーク中に現地で沢山のツアーに遭遇しました。同行しているガイドさんや添乗員さんには以前から知っている方も沢山いて、情報交換などをするのですが少し気になった話しがありますのでご紹介させてください。

 最近流行っているのはペイジなどに連泊し、そこから日帰りで観光をするものだそうです。
そもそも連泊の旅行は荷物の出し入れもなく、楽に過ごせます。日本人のお客様には連泊の旅行は大変人気があるのも確かです。

 そこに目をつけた旅行会社はペイジなどに連泊し、そこから日帰りで国立公園を訪れるコースを作りました。確かにグランドサークルはペイジを中心に円を描くように国立公園が点在しています。中心地から日帰り観光は可能に見えますし、一応可能なのですが、よくよく考えてください。

 グランドサークルの半径は約250キロあります。グランドサークルの端まで行かないにしても、一体毎日往復何キロの道のりを何時間の時間をバスの中で過ごすのでしょうか?しかも、グランドサークルに道路は数本しかありません。効率良く進む道などないのです。何度同じ道のりを走り、同じ景色をみるのでしょうか?そして、その先にある国立公園に何時間滞在できるのでしょうか?

 私も以前は旅行会社に勤めツアーを企画しておりましたので、大体の事情はわかっております。少しでも安く良いものをお客様に提供するために色々な努力をしなければなりません。でもボランティア団体ではありませんから、企業として利益を残さなければなりません。

 ペイジは国立公園のシーズンにホテルが高騰します。言い換えればそれ以外はとてもリーズナブルに宿泊できます。そこに目をつけて連泊のツアーを作ったのです。その旅行を選ぶのはお客様です。色々なツアーを比較検討しそれを選んだとしても、旅行業を生業とし一番分かっている私たちを信じて、それを選んでくれたお客さまに申し訳ないなぁと思わないのかな?と、私は思うのです。私たちは旅のプロなのですから、せめてそこに理由をちゃんと示さなければならないと思うのです。

 他のコラムでも書きましたが、売れているツアー=(イコール)良いツアーではありません。いくら海外旅行が安くなったとは言え、何十万単位のお金を払い、往復何時間もかけて遠路はるばるアメリカまでお越しいただいて、バスに何時間も乗って、たどり着いた先でさらっと舐めるだけの観光なんてあまりにも寂しい事だと思うのです。

 豪華な旅行をしろとは言いませんので、どうかどうかちゃんと価値のある旅行を選んで欲しいと強く願います。

 

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